アートフロントギャラリーはコーポレートサイトをリニューアルいたしました。
アートフロントギャラリーは、1971年に東京芸術大学の学生・卒業生を中心としたグループの活動としてスタートし、1982年、株式会社として設立されました。代官山ヒルサイドテラスを拠点に様々なネットワークによって仕事をしています。その活動は、1点の絵画を販売することから始まり、展覧会の企画運営、生活空間やオフィス、ホテル、開発事業等におけるアートコーディネート、アートによるまちづくり・地域づくり、芸術祭など多岐にわたっています。根底にあるのは、同時代のアーティストが生み出す作品の時代精神、未来への予感に寄り添い、アートを広く国際的な観点をもって、深く社会的な場に展開したいという思いです。
私たちは現在、トップアーティストから若手まで、世界の多くのアーティストと協働しています。その契機となったのは、ベルリンの壁が崩壊して5年後、1994年に米軍基地跡地の再開発で誕生したファーレ立川パブリックアートプロジェクトでした。①驚きと発見の街 ②ファンクションをフィクションに(機能のアート化) ③世界を映す街 という3つのコンセプトのもと、世界36か国92人のアーティストが作品を展開し、「基地の街」を「アートの街」に変えました。かつてスペインのアーティスト、ミロが「私の作品のすべてはガウディに負っている。幼い頃遊んだグエル公園での記憶が私の美術の源なのだ」と語ったように、私たちは、ひとりの子どもにとって記憶に残る街をつくりたいと思いました。それから4半世紀が過ぎましたが、ファーレ立川のアートは、行政やオーナー、ボランティアグループによって今も大切に守られ、多くの子ども達が訪れています。またファーレ立川の手法は、台湾や上海のパブリックアートプロジェクト(「上海都市空間芸術祭」等)にも影響を与えています。
日本全国13か所で開催した「アントニ・ガウディ展」(1978-1979年)や、全国194か所で38万人が見た「アパルトヘイト否!国際美術展」(1988年から2年間に全国194か所で開催)を草の根の実行委員会を地域で組織することによって実行した経験は、「アートによる地域づくり」の先駆として知られる「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」に生きています。グローバル化による地域文化の崩壊、地球環境問題の危機が深刻化する中で、「人間は自然に内包される」を基本理念に、過疎高齢化が進む地域の再生のためにアートが触媒として何ができるか。その可能性を追求した大地の芸術祭は、他の地域も刺激し、瀬戸内国際芸術祭をはじめとする多くの地域芸術祭の開催につながり、その動きは国境を越えています。
新コロナウィルスのパンデミックにより、私たちは自由に移動することも、協働することも許されない状況にあります。しかし、文明が曲がり角を迎える今こそ、アートはこれまで以上に重要な役割を果たすことを期待されています。そうした期待にこたえる仕事をしていきたいと思います。
アートフロントギャラリー
代表 北川フラム
奥野惠
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