TOPICアートコーディネート2022.11.02

海老名駅間まちづくりプロジェクトの髙橋匡太《おそいおそいおそい詩》が「日本空間デザイン賞2022」最高賞を受賞

長期にわたる開発計画において、新しくできるまちを地域に開いていくために、アートに何ができるか。小田急電鉄株式会社が10年の歳月をかけ、2025年に完成を目指して行っているまちづくりプロジェクト、海老名駅間地区「ViNA GARDENS (ビナガーデンズ)」(設計監修:株式会社アール・アイ・エー)。アートによるまちづくりを掲げる同プロジェクトで、アートフロントギャラリーは2016年からイベントの実施や、屋内外のアート作品の設置に携わってきました。
その一環で、髙橋匡太さんによるアートイベント《おそいおそいおそい詩》が、優れた空間デザインの作品に贈られる日本最大級のデザインアワード『日本空間デザイン賞2022』で、エンターテインメント&クリエイティブ・アート空間の金賞、さらに各賞の金賞から選ばれる最高賞『KUKAN OF THE YEAR 2022 日本経済新聞社賞』を受賞しました。

日本空間デザイン賞2022公式サイト

髙橋匡太×oblaat《おそいおそいおそい詩》について
2021年11月21日~12月4日実施

コロナ禍の閉塞感の中、此処を行き交う市民・働く人・買い物客等が、少し明日が楽しみになるような温もりが心にほっと生まれることを意図し、光の作家・髙橋匡太さんと本に閉じ込められていた詩を様々な媒体に開くことを目的とするデザインレーベル「oblaat」とのコラボレーションにより企画実施されました。
工事現場を背景に、巨大な敷地いっぱいカラーコーンで大きな文字を1日1文字づつ制作。コーン先端のLEDフラッシュが点滅し、毎夜異なる「光の字」が浮かびあがり、14日間で一遍の詩がつながるというプロジェクト。詩は、5名の詩人が一字づつ順番に書き加え、14字で1篇の詩を完成させる事前セッションを行い、完成した10篇の中から、河岸段丘をつくった相模川の「水」を彷彿させる本篇が、海老名の地に相応しいとして選ばれました。

作家作品紹介ページ:http://www.kyota.jp/2021/ebina/index.html

髙橋匡太さんチーム 川口怜子さんの言葉
「本作品のKUKAN OF THE YEARの受賞は、審査会でも大きく取り上げられたと聞きました。おそらく、アートなのかデザインなのか、デザインとしての評価をしていいのか、という議論がなされたと想像していますが、最終的に受賞が決まったことを考えると、本アワードの評価軸の拡張につながったのではないかと推測します。(少しポジティブに過ぎるかもしれませんが)
私達は、アートとして作品を作っているつもりではあったのですが、2016年から継続的にこのプロジェクトに関わらせていただいているなかで、「まちの中にアートを根付かせる起爆剤的な役割をどのように作っていくのか?」という命題も少し持っていたと思い返しています。
命題がある時点で少しデザイン的とも考えていますが、最初から「アートをまちに根付かせる」という難題をいただきながら、寛容にこちらの提案プランをリアライズさせていただいていたことが、今回の受賞につながっているではと思います。制作者として今回は私たちが受賞をしましたが、関係者のみなさんに支えられての受賞だと思いますので、また一緒に喜べると嬉しいです。

そろそろ、海老名に住まわれている方や駅を利用されている方も、「なにか変わった出来事」に慣れてこられているかもしれませんね。そうだといいなと思います。まちづくりの建築工事としてのタームはもう少しですが、これからもますますアートがまちのみなさんに根付いていくことを願っております。」

【髙橋匡太さんと海老名駅間地区「ViNA GARDENS」アートイベントのこれまでの関わり】

髙橋匡太さんは、2016年よりこれまで3回、海老名駅間地区「ViNAGARDENS」アートイベントに参加されました。

●2016年、《光のクローバー》 2016年10月14日~16日実施

海老名駅前の開発用広場に白い砂で180㎝φ程度の大きさの「クローバー」を1200個描きライトアップしました。そのうち200個はワークショップ一般の参加者200組により描かれました。海老名駅間開発アート計画のスタートイベントでした。 

●2018年、《花のロンド》 2018年11月15日~18日実施

artwork : Takahashi Kyota  photo: Mito Murakami 

高橋匡太さんの企画のもとにパフォーマーto R mansionをはじめ音楽、衣装、大道芸、ダンスなど様々な分野のアーティストが集結しました。広場を中心とした変幻する光のうきわのインスタレーション、パフォーマーと子供たちによるダンス、さらには自由通路や周囲の沿道に繰り出した各回100人以上の一般参加者よる光と音のパレードを実施しました。

なお、高橋匡太さんは、11月の週末には石川県の金沢城で「五彩提灯回遊路2022」を演出します。

五彩提灯回遊路2022
加賀百万石回遊ルートの夜の賑わいを創出するために令和3年より開催されるライトアップイベント。
金沢城公園内を歩くと、提灯がそれぞれの場所によって「加賀五彩」の色に変化します。
金沢市民の祭りである「提灯行列」を思わせるイベントです。

開催日|11月の土日 (5、6、12、13、19、20、26、27、計8日間)
時間 |17:30~21:00(提灯のお渡しは20:30まで)
場所 |金沢城公園(鼠多門~石川門)
参加費|無料

詳細は公式サイト

© 2024 ART FRONT GALLERY all rights reserved

Privacy-Policy